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友田好文著
『コーヒーブレイクに地球科学を』
                四六判 216ページ 海猫屋刊 2530円(本体2300円)
                装丁:京尾ひろみ 装画:友田好文
                
日本図書館協会選定図書
「魚が獲れると地震が起こる」などのユニークな研究でも知られる著者が,地球科学の過去から現在を根本から見直し,最新の研究成果を丁寧に解説。さらに,文筆家の名文をまじえながら,その未来を展望する。
テレビカメラが書斎に侵入してきた。漁獲と地震との関係についての取材が目的であると伺っていたが、本当は「地震前の異常現象から地震は予知できる」と言ってほしいということであった。「地震は予知できますか」と二度聞かれたが、二度とも「地震予知は困難である」と返事した。したがって、放送されなかった。(本文より)
コーヒーブレイクに地球科学を
内容●もくじ
第一章 山は海となり,海は山となる

 
湖は大地となった/滄桑の変(「滄桑の変」・少しずつ進行する滄桑の変・観測できる滄桑の変・水平方向にも動く・面積も変わる,不動産の価値が変わる・天体の影響で土地が変形する)/丹那断層/私はどこにいるのだろう。この道を行けば家に帰れますか?/位置を知る基本/GPS測量――体力を使う作業も終わりに近づいた(GPS衛星とは・高さまで分かる) 時計は大切な道具だ――バウンティ号の反乱者は船とクロノメーターを奪った/漱石と時計/古賀逸策先生と水晶時計/時計は世界のはじまり――時計についての私見
第二章 地震発生の原因説・むかしむかし
天保元年の京都大地震と幕末のインテリ二人/頼山陽――地震の詩にみられる地震発生論/高野長英――泰西地震説(地震の原因・その時代の「地震についての新しい考え」・地震発生の実験)/今からみるこの京都地震――もう京都に地震は起こらないかもしれない/昔の考えから今の考えへ――文明開花と御雇外国人による地震学/関東大地震と天譴説(地震は天の怒り、天の罰)/関東大地震のとき、地下では(震源では)何が起こっていたか?/関東大地震ときの地震学者・将来の地震学者(和達清夫氏はそのとき・今村明恒氏はそのとき〕/頼山陽地震の詩(原文と読み下し)
第三章 地震発生の原因説・むかしから今へ
散る花と地震と/猫と割れ目と地震/地震発生の原因についての寺田のモデル/プレート沈み込み帯の大地震の原因と〈通説〉/地殻変動と地震とがうまく結びつかない/松沢教授の「こんにゃくモデル」批判/わたしが考える地震原因論/墓石の倒れ方から丸山卓男の理論へ/地震は破壊と摩擦の物理現象である――地震の本質/六百キロメートルも深いところでも断層ができる――深発地震と和達清夫/地震に伴う発光現象は、地震の本質に関係していないと思う
第四章 「カオス・混沌・偶然」から秩序へ
ある日T君がきた/カオスとは/人の匂いのする力学(ぎくしゃくする運動):速度・加速度・ぎくしゃく度 /地震現象のカオス性/偶然的分割・富の分割・地震発生の偶然性/当たるも八卦、当たらぬも八卦/偶然量の相関/混沌から秩序へ/アジが獲れると地震が起こる・地震が起こると漁獲がふえる――これはカオスか(貴重な定置網のデータ・魚は地殻活動を好む〕/カジノがカジノでなくなる日
第五章 地球の内部はよく分かる――その中心まで
地球の中は水だろう・地球の中は石油だろう/北海道と佐渡は地質構造が違うのだ/地震波と地下の構造――一番古い教科書と今・地震波の種類・走時曲線/地球内部の層構造からのズレ・マントルの地震波トモグラフィー/降下するスラブ(沈み込んだプレート)の行方/マントルには、海水くらいの量の水がある――漱石が言ったのは本当だ!/マントル全体の流れ――遷移層は濾過紙だ『イェール大学新聞』/外核は溶けている――固体であるマントルの下部に溶けた外核がある/内核は固体である(結晶質である)/地球の磁場は核に原因がある/地球磁場の成因――ファラデーからダイナモ理論へ/核の物質は鉄に富んだ合金である/核の温度は約五〇〇〇Kである/内核の方が地表の自転よりも速く回転している――「超回転」と呼ばれる/内核を伝わる地震波の異方性/内核内で対流はどうして起きるのか――唐戸のモデル/地震学と地球電磁気学の共同の成果/核とマントルの相互作用と、境界にある複雑な層/お疲れさま、「地球の中の匂いはマッチの匂い」
第六章 重力・磁力――私らを引きつける力
魂の力学――ニュートンの林檎(辻 仁成)/重力とは〔無重力の姿・重力が大きくなると――飛行機の宙返り,貧血と三途の川・上下左右の概念の誕生――二十五億年前に上下の概念が生まれた〕/初期の陸地での重力測定/海の重力を測る/どうすれば、船の上で重力が測れるか?/重力は月の引力でも変わる――月のリズム・太陰暦の起源/生物に影響するのは潮汐による圧力変化だろう/地球の磁場を発見したギルバートも独身だった/中国でも磁場を知っていた/岩石の磁性と地球磁場の反転/磁場と鳥の渡り・魚の回遊/磁場が無かったら――映画「 The Core ――ザ・コア(地球が復讐する日)」
第七章 カメがプレートの運動を知っている
ヒョッコリヒョータンジーマはウーゴク/小さな火山と大きな火山――ホットスポット/モルジブ諸島はどうしてできたか?「赤道物語」の出発点/ブッダガヤー Budha Gaya は動かない――いや動くのだ・「個体発生は系統発生を繰り返す」――蘇る過去の時間〔三木成夫氏は語る,カール・セーガン氏は語る〕/もしもしカメよ――ウミガメの回遊と大陸の移動,鳥の渡り/カメたちと中部大西洋のオープニング/習慣の遺伝/過去を思い出す文筆家〔遠い先祖の記憶・前世の記憶・生まれたときの記憶・百年前の記憶・他人の記憶がコピーされる〕
著者紹介●友田好文(ともだ・よしぶみ)
 1926年 東京生まれ
 1950年 東京大学理学部地球物理学科卒業
 1970年 東京大学海洋研究所教授
 1974年 船上重力計の開発とそれによる重力測定により,
     日本学士院賞受賞
 1986年 東海大学海洋学部教授
     東京大学名誉教授,日本学士院会員,理学博士
 2007年12月17日 逝去

友田好文の著書
あなたという地球
友田好文著
『あなたという地球――ともだよしぶみ短文集
東海大学出版会 3190円(本体2900円)

内容●この文集の生い立ち/海洋重力測定のはじまり(松山先生の仕事の引き継ぎ・海洋における重力測定が行われるまでの経過・日本海溝でのはじめての学術調査・イ号二四(後のイ号一二四)による測定)/初代「拓洋」を思う/忘れがたい地の果ての国/海の研究/白鳳丸航海記(その一)/白鳳丸航海記(その二)(KH七一−一次航海研究計画・マリアナでの人工地震調査・グァム−ラバウル−ソロモン海・日ソ共同の調査)/海の底の話/海で過ごした一〇年と日本近海重力地図の刊行/船酔い/キツネつきの話/セブをなつかしむ/テクニシャンのすることだ、などというまい/文科ですか、理科ですか/あなたという地球(雑学のファイル・昔の記憶・アトランティスの物語と地表のできごと・先天的記憶と後天的記憶・鳥がプレートの運動を知っている・ムー大陸の末裔・先祖はフズリナ・ヒトの形と地球の変遷・再生される時間・顔が似ていれば、脳も似ている・ナマズのセンサーとその地震予知理論・耳が天変地異を予感する・低い周波数の秘密・地球が発射する低い周波数の電波・太鼓の響き・いろいろなセンサー・三陸地方のイワシの大漁と地震・イワシが獲れると伊豆半島が上昇し、相模湾に群発地震が起こるとアジの漁獲が増える・いろいろな現象を結ぶ細い糸・太陽活動への関心は復活する)/いつも遊んでいます/時の流れはいちように、だが早くなって行く/三番目のムツゴロウ/考えの保護色/あなたは美人です、元気です/独創的仮説−次の世代も寺田寅彦/阪神大震災と地震予知/坪井忠二先生と地球科学/二代目の執念/故和達清夫会員追悼の辞/彼岸の中日(1994年3月)…手紙/五〇年前の記憶/三保の花

友田好文,藤本博巳著
『重力からみる地球』
東京大学出版会 3190円(本体2900円)

内容●重力と人間\重力は万象の基礎\重力と地球\重力をどう測るか\重力異常から地球の構造をみる\重力異常から地球のダイナミクスをさぐる,ほか

重力からみる地球
友田好文画集
『地球はそれほど大きくない』
冬至書房 4180円(本体3800円)
地球はそれほど大きくない
笠原順三,友田好文著
『コンピュータ地球科学』
東京大学出版会 3960円(本体3600円)
コンピュータ地球科学
友田好文,鈴木弘道,土屋淳編
『地球観測ハンドブック』
東京大学出版会 品切れ
友田好文監修
『地球のなぜ』
偕成社 

『海人不倦(あまはうまず)
  友田好文:人と業績』

                「海人不倦」発行委員会/編集・発行
                 四六判 416ページ 3850円(本体3500円)
2007年末に亡くなられた友田好文先生を偲ぶ文集です。
先生と関わりの深かった方がたからの寄稿文、友田ファミリーの方がたからの寄稿文、
講演記録、談話会の記録、論文リスト、年譜(年図)などを収録。
海人不倦(あまはうまず)友田好文:人と業績
内容●もくじ
第1部 寄稿文

 第一章 寄稿文:学生時代関係
  波どうどうと磯をうち(渋谷北人)
  波どうどうと磯をうち・続(長谷川幸雄)
  寺田寅彦をしのぐ文化人? 文学に絵に多才だった友田好文さん(柴田鉄治)
  近くなり、そして彼岸の彼方に(水野浩雄)
 第二章 寄稿文:同僚(初期)関係
  海洋重力の友田先生を偲んで(田島廣一)
  はじめてお会いした頃(千秋鋭夫)
  友田さんの思い出(上田誠也)
  振動弦海上重力計事始め(金森博雄)
  地震を起こす引き金としての気圧勾配の変化(杉村 新)
  データへの愛着――友田先生に教わったこと(廣田 勇)
  忘れられぬ友田先生のコメント(松野太郎)
  友田さんを偲んで(村内必典)
 第三章 寄稿文:同僚(東大海洋研)関係
  出会い(五十嵐隆雄)
  友田先生と海底研究(小林和男)
  東京大学理学部3号館007号室(瀬川爾朗)
  友田先生を偲ぶ(藤本博巳)
  友田語録(小泉金一郎)
  友田先生の想いで(木村政昭)
  南洋の島と友田さん――友田好文さんの思い出(藤岡換太郎)
  友田先生と白鳳丸(田玉一郎)
 第四章 寄稿文:同僚(その他機関)関係
  友田先生の思い出(飯塚 進)
  地球物理学と芸術と哲学の融合――友田先生の思い出(大島章一)
  友田先生と人のネットワーク(笠原順三)
  海上重力測定を中心として(我如古康弘)
  友田先生と大海に乗り出したあの日(木下 肇)
  白鳳丸の遠洋航海と友田先生(河野芳輝)
  弟子第一号(鈴木弘道)
  海の道(都築博子)
  さようなら、友田先生(土屋 淳)
  友田好文先生と海の想いで(中陣隆夫)
  友田先生の思い出(稲田清夫)
  友田先生との出会い(新谷昌人)
 第五章 寄稿文:学生関係
  友田先生との思い出、そしてNEDO(橋口昌道)
  今わくわくしている事を生徒さんに(横山市朗)
  いつも笑顔の友田先生に教わったこと(棚田俊収)
  エピソード:〈三体問題〉と先生(内田康人)
  東海大学友田ゼミナール(秋山幸秀)
 第六章 寄稿文:友田ファミリー
  弟と過ごした幼少年時代(友田千年)
  父の横顔(唐戸洋子)
  友田好文の人と業績(唐戸俊一郎)
  お爺ちゃんからの贈り物(唐戸俊彦)
  お爺ちゃんの思い出(唐戸由佳子)
  私が○○の頃の父(加藤伸子)
  私、加藤航からの友達(加藤 航)
  祖父から学んだ貴重な経験(加藤 宙)
  父、友田好文(友田 光)
  最高の笑顔(友田優子)

第2部 講演会・談話会の記録

 第一章 講演会の記録

 「海で過ごした10年とその後の話」
   〜東海大学海洋学部教授友田好文先生・日本学士院御就任を祝う会〜

 O、はじめに
 1、なぜ海上重力か
  一、重力とは 二、重力は緯度によって変わる 三、潜水艦「ロ号57」
  四、マイネスの装置(一九三三) 五、ロ号57と松山基範 六、坪井忠二の重力測定装置
  七、それから約二〇年、うまく動かぬ重力計、水晶発振器、古賀逸策
 2、数々の船
  八、「第四海洋丸(二五〇トン、一九五九)」と重力 九、「第四海洋丸」電源・倉庫
  一〇、「凌風丸」魚雷が船底を通る 一一、「明倫山丸(一九五九)」予算と季節・霧のサンフランシスコ
  一二、「拓洋(一九六一)」陛下の御座所 一三、「拓洋」ジャイロの部屋
  一四、「TSSG本体」朝鮮動乱と鉛直ジャイロ 一五、トランジスター・紙テープ・電子計算機
  一六、「水上機母艦〈パイオニア〉(一九六三)」日米科学協力・食えない日本
  一七、「国際インド洋観測(一九六三)」永田武 一八、「海鷹丸(一九六六)」世界一周・サウスジョージア
  一九、「白鳳丸と電子計算機(一九六七)」文部省の失言 二〇、電子計算機室・東京競馬場・池田記念館
  二一、どのくらい走ったか「岸壁の父」 二二、「二〇年の成果(一九八二)」IAG
 3、私の顔
  二三、坪井先生と拓洋(一九六一) 二四、鳥の写真を撮る(海鷹丸にて)
  二五、Shilver gray petrel (一九六六) 二六、Antarctic petrel
  二七、「South shetlandのペンギン」好奇心 二八、ラバウルにて(一九六八) 
  二九、「香炉峰に立つジンギスカン(一九八五)」満州・長春・文化革命
       ……遺愛寺の鐘は枕を欹てて聴き、香炉峰の雪は簾を撥ねて看る
  三〇・三一、同じく少数民族 三二、ヤップ島の超能力曹長(一九八六)
  三三、ご機嫌な顔、日本学士院賞(一九七四)
 4、私の作品
  三四・三五、残っているいちばん古いスケッチ「福井地震(一九四八)」
  三六・三七、アムール河の船着場(一九七九) 三八、油彩「白鳳丸」・吉川英治『忘れ残りの記』
  三九、油彩「大槌の廃船」 四〇、「出船」『鈴の航海』 四一、「弦重力計」IAG
  四二、船上重力計・ジャイロスコープ・IAG 四三、こんなものもある、模写
  四四、木彫りの人形「時計が逃げてゆく」 四五、人形がモデル
  四六・四七、やきものの女性群(信楽) 四八、「IAGポスター」日本近海のジオイド
  四九、重力異常のマップ・地球観測百年・学術会議・藤沢水雷長・ロ号57
  五〇、重力計・第三番目のモデル 五一、地殻熱流量装置 五二、超伝導重力計(未完成)・物性研究所
 5、日本学士院とは
  五三、上野界隈の図 五四、賞状 五五、授賞式・昭和天皇・和達先生・田中角栄 五六、本会議場での席順
  五七、第二部の構成メンバーの席順 ノーベル賞が三名 五八、お願い「新しい研究・発見をしたら」

 第二章 談話会の記録

「友田先生おおいに語る
  一九九二年六月一一日(木)・東海大学友田ゼミナール談話会〈有明の会〉の記録より」

 〇、はじめに 一、陸橋とカチガラス 二、習慣は遺伝子に組み込まれる
 三、研究を楽しくやるには 四、ビィック・ビィック五、モアイ像と催眠術
 六、変わった男 七、♪か〜らぁすーなぜ鳴くの〜 八、身体の中に海が映る!?
 九、東海大学ムー大陸発見??? 一〇、ムー大陸の住民は人間の先祖 
 一一、問題の作家 一二、目は単なるカメラにあらず 一三、たまには大脳に刺激を
 一四、近ごろの学位をとる目的 一五、知るは楽しみなり 一六、役に立つもの立たぬもの
 一七、役に立たないことだけに真理がある 一八、論理で通すといいか悪いかわからない

第3部 友田先生の仕事

 第一章 友田海山/著作・論文リスト
  友田海山の命名(徳山英一)
  学術上の業績(藤本博巳・田村千織ほか)
   書籍 研究論文 白鳳丸研究航海速報
   報告書 学会予稿集 短文・雑文・その他 402

友田先生関係地図・友田好文年譜(年図)